唾液は最高の歯科医——口の中の自然免疫と再石灰化の秘密

歯を守る最前線にいるのは、歯医者さんではありません。

実は、あなた自身の体が持つ天然の防御システム——それが唾液です。

多くの人は唾液を“ただの水分”と考えていますが、

歯科生理学的に見ると、唾液は極めて高度な生体機能を持っています。

唾液には
●IgA(免疫抗体)
●リゾチーム(抗菌酵素)
●抗菌ペプチド
●リン酸・カルシウム

が含まれ、
口腔内の菌バランスを調整し、エナメル質の再石灰化を進めてくれます。

つまり、唾液とは
抗菌作用+歯の修復+免疫調整
を同時に行う天然の口腔ケア液なのです。

しかし、一般的な強い殺菌剤入りの歯磨き粉を使うと、
唾液の常在菌バランスまで乱し、
本来持っている自然治癒力を弱めてしまう可能性があります。

だから重要なのは、

菌を“ゼロにする”ことではなく、
菌を共存させ、環境を整えること。

これは腸の健康と同じで、
腸内フローラが大切なように、
口内フローラ(オーラルマイクロバイオーム)が大切なのです。

バイオペーストは、唾液の働きを奪うのではなく、助ける歯磨きです。

  • 弱アルカリ性の環境を保ち
    ●有害な酸性環境を中和し
    ●歯の再石灰化を促進し
    ●常在菌の多様性を守る

つまり、
「体が本来持つ歯の修復力を引き出す」
これが本来の歯磨きのあり方だと思います。

歯は削って守るものではない。
歯は、生物としての力で守られている。
その力を尊重する医療こそが、これからの歯科治療の進むべき方向だと感じています。

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