口腔内の健康は全身の健康と密接に関係していることが、近年の医学で明らかになっています。しかし、日本と海外では歯科医療の位置づけや考え方が少し違う場合があります。
今回は、「歯科」と「内科」に関する日本と海外の違いについて触れながら、私たちの口腔ケアの重要性を考えてみたいと思います。
日本の歯科医療の現状
日本では、歯科と内科は基本的に別々の分野として運営されています。例えば、糖尿病で内科に行くと、口の中を見ることはほとんどありません。一方で、歯科医院では虫歯や歯周病の治療がメインで、全身の健康について詳しくアドバイスを受けることは少ないです。
しかし、最近では医学の常識が変わりつつあります。「口腔内の健康が、糖
尿病や心疾患といった生活習慣病に影響を与える」という研究が進み、口の中を健康に保つことが全身の健康につながるという認識が広がってきました。
海外の歯科医療のスタイル
一方で、ヨーロッパやアメリカなどの海外では、歯科と内科が連携しているケースが多く見られます。具体的には、歯科と内科が併設されたクリニックが存在し、以下のような流れで診療が行われることがあります:
- まず口腔内をチェック
患者さんの体調不良の原因が口腔内にあるかどうかを最初に確認します。例えば、歯周病や噛み合わせの問題が全身の不調に影響しているケースがあります。 - 口腔内を治療
歯や歯茎、噛み合わせなどを治療し、それでも症状が改善しない場合は内科的なアプローチを検討します。
この診療スタイルは、「全身の健康は口腔から始まる」という考えに基づいています。日本よりも口腔ケアの重要性が強調されていることがわかります。
日本の課題と私たちにできること
日本では、歯科と内科が併設されている医院はまだまだ少ないのが現状です。したがって、口腔内の健康に関する意識は、患者自身が持つことが重要です。
口腔ケアを優先する理由
- 歯周病は、糖尿病や心疾患などのリスクを高めると言われています。
- 噛み合わせの不調が、肩こりや頭痛その他の原因となる場合もあります。
- 健康な口腔内は、全身の免疫力を高めるのにも役立ちます。
つまり、日常的な口腔ケアや定期的な歯科検診が、全身の健康維持につながるのです。
私たちができる具体的なアクション
- 定期検診を受ける
3か月に1回ぐらいの歯科検診で、虫歯や歯周病の早期発見・治療を心がける。 - 正しい歯磨きを習慣化する
毎日の歯磨きやフロスの使用で、歯垢や汚れをしっかり落とすことが大切です。 - 食生活の見直し
糖分を控えたバランスの良い食事は、歯と全身の健康を守ります。 - 口腔内の問題を軽視しない
体の不調が口の中に原因がある場合、放置せず早めに専門医に相談する。
まとめ:全身の健康は口から始まる
海外のように、歯科と内科が連携した診療スタイルが日本でも増えることを期待しつつ、現時点では私たち自身が口腔ケアに積極的に取り組む必要があります。
口の健康を意識することで、体の不調を防ぎ、より健康で快適な生活を送ることができます。今日からできることを始めてみてください!