「食後30分は歯を磨かない方が良い」は本当?酸とエナメル質の関係と正しいケア方法

一時期、歯学の分野では「食後30分は歯を磨かないほうが良い」という考え方が広まりました。これは、食事に含まれる酸性の食品によって歯のエナメル質が一時的に柔らかくなるため、その間に歯磨きをするとエナメル質が削れやすくなるという理由によるものです。

尚、酸性の食品には、以下のようなものがあります。

果物類(フルーツ)

  • 柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、みかん)
  • ベリー類(イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー)
  • パイナップル
  • キウイ
  • りんご(特に青りんご)
  • ぶどう
  • ざくろ

飲み物

  • 炭酸飲料(コーラ、ソーダなど)
  • スポーツドリンク
  • フルーツジュース(特にオレンジジュース、グレープフルーツジュース、クランベリージュース)
  • ワイン(特に赤ワイン)
  • コーヒー(ブラックでも酸性)

食品・調味料

  • 酢(米酢、りんご酢、バルサミコ酢)
  • ヨーグルト
  • チーズ(特に熟成チーズ)
  • トマト(ケチャップ、トマトソースを含む)
  • 梅干し
  • 味噌(特に発酵が進んだもの)

お菓子類

  • グミキャンディー
  • 柑橘系のキャンディー
  • 酸味の強いガム
  • チョコレート(特にダークチョコレート)

バイオペーストなら食後30分以内の歯磨きはOK

これらの食品・飲み物は、口の中を酸性に傾けるため、長時間放置すると歯のエナメル質を溶かすリスクがあります。

一般的な歯磨き剤には研磨剤が含まれているため、柔らかくなったエナメル質が削られやすく、食後すぐの歯磨きを続けると知覚過敏の原因となる可能性が高いです。

しかし、酸性の食品が歯の隙間や凹凸に残った状態を30分も放置するのも好ましくありません。食後はなるべく早くこれらを除去することが、エナメル質の損傷を防ぐために重要です。

また、アルカリ性の歯磨き剤や洗口剤を使用することで、酸による影響を短時間に抑えることができます。瞬時にエナメル質の硬さが回復するわけではありませんが、酸によるダメージの時間帯を終了させるには有効な方法の一つです。

 

アルカリで研磨剤を含まない バイオペースト では、食後すぐの歯磨きでも、毛先の細い柔らかい歯ブラシを使用することで推奨しています。これは、繰り返し実験を行った結果、すでに知覚過敏になった歯に対して、どのようなケアが早期の自然治癒につながるかを検証した上で導き出された方法です。

酸が自然に中和されるのを30分待つよりも、エナメル質を傷つけない歯磨き剤と歯ブラシを用いて早めにケアをするほうが、再石灰化への近道であると考えています。

 

知覚過敏をケアし、自然治癒させるためには、日々の習慣が重要です。

① 研磨剤を含まず、強い洗浄力を持つ歯磨き剤を選ぶ

② 毛先の細い柔らかい歯ブラシを使用する。力を入れない。

③ アルカリ性の歯磨き剤や洗口剤を活用する

④ 酸性の強い食品を意識し、生活習慣を見直す

これらを意識した毎日のケアが、エナメル質の保護や再石灰化の促進につながると考えています。

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