「虫歯=削る」はもはや常識ではなくなりつつあります。
近年の歯科医学では、初期虫歯は削らなくても自然回復できる可能性があるとされています。歯

は骨と違い再生できません。削った歯は二度と元には戻らず、補填物は5〜10年ごとに劣化し、再治療を繰り返すほど歯は弱くなり、最終的には抜歯につながることもあります。歯を削る治療は「最後の手段」であ
るべきなのです。
一方、歯には自己修復能力があります。これは「再石灰化」と呼ばれ、唾液に含まれるカルシウムやリン酸が歯の表面を再結晶化し、初期虫歯を修復してくれます。つまり、虫歯は“治癒させる”という視点で向き合うことが可能なのです。
ここで重要なのが「口腔環境」です。一般の強力な殺菌成分を含む歯磨き粉は、菌をゼロにしようとするため、常在菌バランスを崩し、唾液の自然修復力(再石灰化能力)を弱める可能性があります。
バイオペーストの考え方は異なります。
菌を敵として排除するのではなく、
歯と唾液が本来持つ自然治癒の環境を整えること
を目的としています。
口腔内の電位やpHを調整し、常在菌のバランスを保つことで、歯が自分で修復しやすい状態に
導く——これがバイオペーストのアプローチです。
虫歯は削るものではなく、守るもの。
歯を温存しながら自然回復を促すという「削らない歯科治療」は、患者の歯の寿命を最大限延ばすことにつながります。
名医が削らないのは、優しさだけではなく 科学的に正しい選択 だからです。





