第3回:歯原病と免疫・炎症・がん――体を守る力を弱める「慢性刺激」

本シリーズは、**現代書林刊『歯原病 ― すべての病は歯から始まる』(著:医学博士・中島 隆一)**を参考に、
口腔内の炎症が免疫やがん発生にどのように関係しているのかを、
予防の視点から整理したものです。

■ 免疫システムは「口から」始まる

人の体の免疫システムの約7割は、腸や口腔などの“粘膜免疫”に関係しています。
つまり、口の健康は免疫の入り口でもあるのです。

歯ぐきや粘膜が炎症を起こしている状態では、
常に体の免疫が刺激され続け、過剰反応を起こすようになります。
この「慢性炎症」が長く続くと、免疫システムは次第に疲弊し、
本来守るべき細胞を守れなくなるという問題が起こります。

■ 炎症ががんを育てるメカニズム

炎症は、がんの温床にもなります。
炎症が続くと、活性酸素やフリーラジカルが過剰に発生し、
DNAの損傷や細胞の老化を引き起こします。
この酸化ストレスが、発がんの初期段階をつくるといわれています。

実際に、歯周病菌の一部はがん関連物質を誘発する酵素を分泌し、
口腔がんだけでなく、食道・胃・大腸などの消化器系のがんとの関連も報告されています。

■ 免疫のバランスを乱す「口の中の酸化」

酸化した環境では、悪玉菌が繁殖しやすく、
逆に善玉菌や常在菌のバランスが崩れてしまいます。
この「口内フローラの乱れ」が、免疫低下をさらに助長します。

つまり、口腔内を中性〜弱アルカリ性に保つことは、
単に歯を守るだけでなく、免疫バランスを守る行為でもあるのです。

■ バイオペーストが支える「抗酸化の環境」

天然ミネラルを主成分とするバイオペーストは、
pH約10という弱アルカリ性の環境で、酸化を穏やかに中和します。
また、研磨剤や合成界面活性剤を使わないため、
粘膜を傷つけずに“自然な防御力”を保つことができます。

細胞に負担をかけず、環境を整える――
それが免疫を守る第一歩であり、炎症の連鎖を断つ根本的な方法といえるでしょう。

■ まとめ

歯原病の恐ろしさは、「慢性炎症」という静かな刺激が、
免疫の働きを鈍らせ、体全体のバランスを崩していく点にあります。
しかし同時に、口を整えることで、免疫の力を取り戻すこともできます。

殺菌よりも調和。
刺激よりも安定。
それが、これからの時代の“予防医療としての口腔ケア”だと思います。

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