第1回:歯原病とは何か?――口の中の炎症が全身に及ぶメカニズム

本シリーズは、**現代書林刊『歯原病 ― すべての病は歯から始まる』(著:医学博士・中島 隆一)**を参考に、
歯と全身の健康の関係を、予防と自然治癒の視点からわかりやすくまとめたものです。
とくに、口腔環境を整えることの重要性を、
天然由来の「バイオペースト」と予防歯科の観点からお伝えしていきます。

■ 歯の病気が全身の病を引き起こす

「歯の病気が、全身の病気を引き起こす」――
この考え方を聞くと、多くの人は少し驚くかもしれません。
けれども近年の医学では、歯周病や虫歯などの口腔内の炎症が、体のあらゆる臓器に影響を与えることが、明確なエビデンスとして報告されています。

 

血流を通じて炎症性物質が全身をめぐり、
心疾患、糖尿病、認知症、リウマチ、さらにはがんとの関連まで指摘される――
これがまさに「歯原病(しげんびょう)」という概念です。

■ 歯原病の本質は「慢性炎症」

歯原病は、単なる虫歯や歯周病とは違います。
その本質は、「口の中の炎症が、慢性的に全身を刺激し続けること」にあります。

歯ぐきの腫れや出血が続くと、炎症性サイトカインが血管を通って全身に広がり、
血管壁の傷つき、細胞の酸化、免疫の過剰反応を引き起こします。
つまり、口腔内の小さな炎症が、“体の老化や病気のスイッチ”を押しているのです。

■ 口腔環境をどう整えるか

では、この歯原病の連鎖を断ち切るにはどうすればいいのでしょうか。
ポイントは「酸化させない・乾燥させない・傷つけない」という3つの原則です。

    • 発泡剤や刺激の強い成分を避け、口腔粘膜を守る
    • 唾液の分泌を促し、弱アルカリ環境を保つ
    • 炎症のもとになる“バイオフィルム”を優しく分解除去する

 

こうした自然なアプローチこそ、歯原病を防ぐ第一歩です。

■ バイオペーストという実践的アプローチ

弊社が開発した**「バイオペースト」**は、この考え方に基づいています。
化学的に“殺す”のではなく、ミネラルの力で環境を整えるという発想。
pH約10の弱アルカリ性と、天然ミネラル由来の洗浄力により、
炎症の原因となる酸性環境を穏やかに中和し、再石灰化を促します。

「守る」よりも「戻す」。
自然治癒力を引き出すケアこそが、
歯原病の本質的な予防だと考えています。

■ まとめ

歯原病は、「歯の病気ではなく、体の病の入り口」。
口腔内の小さな炎症を放置すれば、それは全身の老化・病気の引き金となります。

一方で、口を整えることは、全身を整えることでもあります。
毎日の歯磨きが、未来の健康を左右する――
このシリーズを通じて、その意味を一緒に深めて参りたいと思います。

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